サムシング

自分が今好きなことや気に入ってることを書いています

小林愛実の宇部凱旋コンサートいった

日曜日は、小林愛実ちゃんの宇部凱旋コンサートに行った。会場時間よりかなり前から、会場の渡辺翁記念会館にぞくぞくと集まる宇部市民。

着物のおばさま方に、子連れのお父さん(宇部市の企画で小学生が無料招待されており子どもが多かった。保護者は有料)会場は本気の満席であった。


プログラムは前半が24の前奏曲

ショパンコンクールの3次予選で長い長い拍手が起きたという愛実ちゃんのおはこである。ただ山口公演から3ヶ月ぶり聴いたが、まるっきり同じでもない気がした。(良い意味で)

今回はまた心に沁みた。

特に雨だれのはじまりは優しくて素敵だった。


後半はスケルツォ1-4番。

スケルツォ1番が素敵で、終わった時には我慢できない観客の拍手が入った。

幸せなこどものうたのようなフレーズが、シューマンのこどもの情景のような、独特の幸福感で歌われて。

その後もスケルツォ全てが素敵で、拍手しちゃうよね、と私は思ったが、都会の演奏会だと通して聞いてるもんなのだろうか?(しないものだとあとで聞いたので)すみません。


愛実ちゃんは宇部市のなんとか大使になったそうで、演奏後は(出たがりな)宇部市長が出てきて、ひまわりを中心に黄色でまとめた大きな花束を手渡していた。

アンコールは幻想即興曲、これで終わりかと思いきや(そういう身振りだったが)ベートーベンの月光。

幻想即興曲も良かったが、月光はまた良かったなぁ。涙が出てきそうな叙情性。

超しっとり。

インスタグラムをみてもそんなにベートーベンを弾いていない気がするのだが、山口ではわりとベートーベンを弾くのは思い出があるのだろうか?

山口公演の悲愴の第2楽章もちょっと忘れられないくらい良かったし。

でみんな感動して拍手したら、さらにワルツも弾いてくれたのだった。

最後はスタンディングオベーションで愛実ちゃんをたたえる宇部市民。


愛実ちゃんのピアノはしっとりきれいで、コンサートはハズレがなく、疲れもなく、ああいいピアノを聞いたとさわやかに最高にハッピーだ。

最初企画をみたときは、子どもが100人だか200人だか招待されるというので、騒がしくしないでよと思ったのだが、いい演奏というのは子どもにも分かるのだな。雰囲気も良かった。

もしこの演奏を聴いてピアノを頑張る子がいたら!


昨日の愛実ちゃんの演奏は、ハッピーな部分がこどものしあわせのように歌われるのが印象的だった。陰より陽がより素敵に聴こえ、愛実ちゃんは幸せなのかな、と思った。


愛実ちゃんは是非また宇部でコンサートをしてほしい。次はエチュード10-4、木枯らし、幻想ポロネーズも聴きたい。ベートーベンのソナタもいいな。調布や北九州で弾いたというバッハも聴きたい。

地元なんだし、50年計画で毎年6月にコンサートをやったらいいのにな。そしたら1年も欠かさずに通い詰めたい。


余韻にひたりながら、昨日はシューマンのコンチェルトの録画をみなおし、今日はコンサート会場で手に入れたショパンコンクールのライブ録音を聴いているのであった。