サムシング

自分が今好きなことや気に入ってることを書いています

for four hands

おばより

「愛実ちゃんは反田くんが好きなのではないか?」 

と聞かれた。


それは…ないでしょう。少なくともショパンコンクール前後をみるにはない気がする。

今は分からないけど。

過去も分からないけど。

実際のところはファンには分かりかねます。


ただこのカップルのDUOはいける…12月8日のDUOリサイタル録音を聴いてそう思った。(ベストオブクラシックでやったらしくyoutubeにあります)

これは認めざるを得ない(笑)


最近思うのだが、ピアノ連弾はマイナーな分野だが、深い。

作曲家にとって、オケに近いのだろうか?ハイドンバリエーションやドヴォルザークの新世界、どちらも作曲家本人によるピアノ連弾の楽譜があり、しかもその印象はオケと変わらない…画家が同じ構図で水彩画と油絵を描くようなもの?そんな感じがする。


そして、2人で音楽を作り上げる…そこにロマンがあるなぁと思う。


反田さんと愛実ちゃんは結構息が合っている。一見けんかしそうなのに、お互いに相手を上手にたてている。他のDUOをいろいろ聴いてみるとよく分かる。

連弾では愛実ちゃんの欠点であるややパワーにかける部分が気にならなくなる。反田さんの欠点であるややロマンチックさにかける部分も同様。


シューベルトの幻想曲はこの間のカーティス音楽院の卒業リサイタルで、リウ教授と師弟で行った演奏のほうが完成度が高いと感じた。

が、反田さん愛実ちゃんも悪くはない!ポテンシャルは高い。


母はこの曲についてはデュオクロムランクが忘れられないようだ。

平成6年に山口の片田舎にアルゲリッチやミッシャマイスキーとともにきたこのDUOの演奏は、夫婦による完全に息の合った演奏で、その精緻で高い完成度と張り詰めた緊張感とともに忘れられない演奏として母の心に刻まれたという。

しかし、その数ヶ月後、夫婦は自殺してしまう。

二人はとても説得力のあるCDを出し、キャリアの頂点にいたが、関係性は悪くなっており、今後の活動についてももめていた。夫が先に死に、それを見つけた妻があとをおったようだ…。


この夫婦はそれぞれ個人としては有名ではなく、DUOとしてその頂点を極めたという点で、DUOの夢とロマンがあり、またその心中を思い起こす最期はDUOの闇のように感じる。まぁ燃え尽き症候群により突発的事故だったのだと思いたい。(今時流行らなそうな話ではあるが、それこそ映画になりそうな…とにかく二人の音楽はすばらしい)


まぁ愛実ちゃんと反田さんなら、例えDUOを組んで、何かの拍子に結婚したとしても、けんかの末自殺することはなさそうに見えるから安心だ。


あとはガジェヴと組んでもいいなぁ、とか思うのであった。